先生の「特別」にしてくださいっ!
「一也、遅くね?」
「ばっくれたんじゃないっすか?」

捕まって、
倉庫っぽいとこに監禁されてから、
一時間くらいたった。

…こんな、ドラマに出てきそうな倉庫、
ほんとにあるんだ………。

だけど、ドラマとかと違うところは、
私に縄とか巻かれてないところ。

だったら、普通に逃げれるだろって
思うけど…

まわりに5人いるし。

とても逃げれる状況じゃない。

大体、ここがどこかもわからない
土地勘のない私が逃げたところで、
どうせまた捕まる。

…はあ。

なんでこんなことになっちゃったんだろ。

私がバカだっただけだけど。


暇だから人間観察をする。

とりあえず、正ちゃんとやらが
この集団のリーダーらしい。

で、3人ほど敬語で話してるから
きっと正ちゃんよりは歳下なんだろう。

はあ。

最初にガラ悪いって思った私の勘は
当たってたんだな。

やっぱり人は第一印象だ。

これからは気をつけよ。

って今はそれどころじゃなくて。

「ばっくれてたら、この女、どうする?
食っていい?」
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