先生の「特別」にしてくださいっ!
兄貴と救急隊の人たちが、
必死に滝野を救おうと頑張っている。

俺の手には、
あの花火の日に滝野からもらった勾玉。

偶然にも昨日見たテレビの旅番組で、
この勾玉の本当の意味を
最近知ってしまった。

恋愛の勾玉…

…ったく、俺を騙しやがって。

本当、許さねえ………


このまま、俺の前から消えたら…

絶対に許さねえから…


「守。
守がそんな顔してたら、
凛さん、きっと悲しむよ?」

「でも…」

「大丈夫だから。
僕たち兄弟は、最強なんだよ?
2人で何かをやって、
失敗したことは一度もないでしょ?」

「兄貴…でも、俺にやれることは…」

「あるよ。凛さんの手を握ってて。
戻って来いって祈りながら握っててよ。」

「わかった。」


俺は滝野の手をとる…

冷たい…

温めて、やらないと…な。
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