先生の「特別」にしてくださいっ!
「どうした…?滝野?」

もぞもぞと布団に潜り込むと、
先生がそう聞く。

「………何でもなぃです。」

中学生に騙されて、
ホイホイ付いてって怪我するとか、
頭悪すぎるだろ、私…

今になって凄く恥ずかしくなってきた…


「どっか、具合悪くなったか?」

先生が心配そうに聞く。

いやもう、心配されることすら恥ずかしい…

「いえ…そういうんじゃないんで、
なんか、本当、すみません…」

「なら、いいけど…」

先生はそれでも心配そうだ。

観念して私が布団からでる。

「なんか、今さらながら、
恥ずかしくなりました。」

「滝野…」

「すみません…先生も、呆れてますよね?」

知らないおじさんについていっちゃいけません
なんて、子供でもわかるのに…
知らない中学生についていくなんて…

先生から、お叱りの言葉が来ると思ったけど。

「ごめんな。
もっと早く駆けつけてやれなくて」

謝られてしまった。
いや、先生が謝ることじゃないでしょ?

「先生は本当に何も悪くないです。
私がバカだったんです…
大体、本来先生は立場的に来る必要だって
ないでしょ?」

…担任でもあるまいし。

「そうかもしれないけど!!
それだと、俺が嫌なんだ!!」

「え?」
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