先生の「特別」にしてくださいっ!
…あれ?

「私だって、真面目な話くらい…あれ?」

「出来てなかったから!
真剣白羽取りっ!の件とか、
どこの講談師だよって感じだったから!
警察の人、笑いこらえるのに必死だったよ?」

「いや、この机が釈台に見えてしまって…」

「諦めなよ、凛。」


ああ…本当に私って…
シリアス展開向いてないんだ…


「でも、本当に気にすることないと思う。
たきのりは一応、
生死をさまよったんだからさ。」

珍しく彩音が優しいことを言う。

「次の日から
彩音のパシりしてましたけどね。」

と私が言い返してしまうと。

「そういうところが、いけないの!」

雪乃に笑って怒られた。



でも、実際悩んでしまうのは、
そのことだけじゃなくて、


家の事。


私が海外に行かないとなると、
また私は家族から一人離れなくては
ならなくなる。

…それはちょっと寂しい。

かといって海外に行ってしまえば、
学校をやめなくてはいけなくなるから、
当然、雪乃や彩音、そして先生とも
離れなくてはならない。

…それも嫌だ。


私にはどっちもかけがいのないものだから…
どうやって決めたらいいんだろう…
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