先生の「特別」にしてくださいっ!
「じゃあ、お母さん、一也、またね。」


12月に入り、
家は引っ越しの準備をはじめる。
期末テストもあるということで、
お互い迷惑になってもいけないし、

私はアパートに帰ることにした。
大家さんに、やっぱり戻ります。と言ったら、
快くOKしてくれた。


「凛ちゃん、元気でね!テスト頑張れ!」

「もうナンパに着いてくなよ?」

「うん!お母さんも元気でね。
お見送りには空港まで行くから。
…一也は少し黙ってよっか。」


こんな感じで私は家を出た。



前に家を出た時とは違う。


私は家族の中でひとりではない。


そう思えることができたのは、
ふたりの暖かさを十分に感じたから。


ふたりと離れるのはちょっと寂しいけど…


でもね…


実を言うと、


アパートに戻るのがちょっと楽しみなんだ。
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