先生の「特別」にしてくださいっ!
「先生、本当に応援来てくれたんですか?」

「あったりめーだろ!昨日約束したからな。」

雪乃と谷中先生の、
そんな会話が聞こえてきた。


一方、私のまわりでは、

「何よ、高橋さん。
ちょっと試合に勝って、
先生におめでとうって言われたくらいで、
いい気になっちゃって。」
「なんか、あの笑顔調子乗ってない?」
「つーか、応援に来てとか先生に頼んだの?
図々しいね。」

と、
理不尽に雪乃を非難している会話が聞こえた。


…女の嫉妬って怖い。


彩音を見ると、
周囲の会話が聞こえたんだろう
下を向いて悔しそうな顔をしていた。

私だって悔しいもんな。
雪乃がこんな風に言われてるなんて…


「私達も雪乃んとこ行くよ。」


彩音が唐突に立ち上がる。
耐えられなくなったんだろう。

本当は、谷中先生いるし、
さっき逃げたから、
あんま近寄りたくないんだけど、

行かないとも言えないし、

「そだね。」

と言って私も立ち上がった。
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