先生の「特別」にしてくださいっ!
自力でどうにかしようと、
外に出ると…

早速、第一関門が待ち受けていた。

そう、階段。


なんでここ、二階なんだよ。

この足で階段を下りるなんて、
どんな試練だ。

私、そんな悪いことしたかなあ…

はあ…


しかし、ここで負けるわけにはいかない。

私は普段、あまり使わない階段の手すりを掴み
慎重に慎重に
一段一段、
下っていく。

大丈夫だ。
落ち着け。

なんとか半分過ぎた。

あと6段くらい…

これならいけそうだ。


と、一瞬気が緩んだ。

一番、気が緩んではいけないところで
気が緩んでしまったと気づいた時はもう遅い。

片足が上手く着地しなかったのと同時に、



ズダダダダダダ…



あ、落ちてるわこれ。

世界がスローモーションに感じて、

私は冷静になって、
階段から落ちる感覚を実感していた。
< 73 / 418 >

この作品をシェア

pagetop