先生の「特別」にしてくださいっ!
「!!??
おい!どうした!?大丈夫か!!?
しっかりしろ!!!」

ドアを開けた瞬間、
倒れてる私に気づいたらしい谷中先生は、

すぐに私を抱き起こしてくれた。


「だ……い、じょぶ…で、す。」


まだ上手く声が出せない。

「お前、もしかしなくても、
階段から落ちたよな!?」


大声ださないでよ、恥ずかしいから。


「へ、いき、です、から。」

「いや、どうみても平気じゃないだろ。」


うん、まあ平気ではない。


それでも何とか痛みが引いてきたから、
自力で立ち上がろうとした。

けど、


グニャ…


右足に力が入らない。

「っと!」

たちまち転びそうになるのを、
先生が支えてくれた。

「足、どうしたんだ?」

「昨日、捻挫しちゃったらしくて、
今から病院に行こうとしてたんですけど、
なんか、間違って階段から落ちました。」

ふう…ようやく普通に話せた。


「………ちょっと階段に座って待ってろ。
今、準備してくるから。」

ん?準備って何の?
そう聞く前に、
先生は家のなかに入ってしまった。
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