犬×猫
犬×猫
「なぁなぁ~。美咲~」
「なに?」
今、私に話しかけたテンパヤロウは『戸倉太陽(とくらたいよう)』。
私はたいちゃんと呼んでいる。
たいちゃんはとにかく元気で、人懐っこい、クラスのムードメーカー的存在だ。
「たいちゃん、また教科書忘れたの?」
「うん」
嬉しそうに言うもんじゃないけど…。
「わかった、はい。」
机に置いていた英語の教科書を半分、たいちゃんの机にのせた。
たいちゃんとは席が隣同士だ。
「美咲大好き~」
これで教科書貸すの何回目やら…。
「太陽、美咲に教科書借りすぎだろ。」