偽りの愛で愛して
今でも俺の隣に客が1人
真美さんという常連さん
「ねぇー紫苑?私ね?すごい疲れてるの…。だからさ?癒して…」
でも常連も何も関係なく、客が癒しを求めれば、俺たちホストはただ癒しを与えるだけ
客の肩を抱き、そっと自分の方へと寄せる
それだけで客は俺の腕に自分の腕をからませ、俺の肩に頭を載せる
「そんなに疲れたんだ?お疲れ様…真美さんは頑張りものだからね?俺が良く知ってるよ」
「もぅ紫苑…嬉しいわ」
客が喜ぶような言葉をかけ続ける
でもそこに…愛は無い
あるのは、ホストとしての意地とプライドだけ
「真美さんが疲れてるなら…今日はお酒をパーッと飲んじゃう?俺と気分転換しよ?今日は真美さんから離れないから…」