キミへのコトバ。
学校に向かっていると後ろから
あたしの名前を呼ぶ声が聞こえた
声が聞こえる方に振り返ると
そこには制服を程よく着崩した彼がいた
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「…健ちゃん、おはよう。」
「おはよーなんだよ暗い顔して?一緒に行こうぜ」
彼は藤島 健太。
あたしがここに越してきて初めて出来た友達
人見知りのあたしにはとても大きな存在、
そして、---あたしの大好きな人。
「う、うん」
そう言って歩き出す
あたし…そんな暗い顔してた!?
え、嘘…気にしてなか…っ
「おい!!」
ほっぺをつねられた
「ひゃっ」
今が冬って言うこともあって彼の手は
とても冷たくって少し眠たかったあたしは
一気に目が覚めた
「お前さー…」
あたしの頬をつねりながら彼は言葉を止めた
少しフリーズ気味のあたしは彼と目も合わせられず、
ただ、ただ固まるだけ
「…何でもない」
そう言ってあたしの頬から手を話すと
再び歩き出す
後を追うように歩くあたし
「え?ちょ…」
何今の!?何を言おうとしたの?
あたしはでかかったこの言葉が喉の奥につっかえたように出てこなかった