キミへのコトバ。
顔…あつ…。
手を当てると尚更わかる
健ちゃんはあたしに他愛のない話をする
たまに見せる無邪気な笑顔があたしは好き
時々話に出てくる彼女のことを話すときの
キミの笑顔は嫌い
そんなことを思っていると学校についた。
健ちゃんと来ると本当にあっという間
今日もあたしの見たくないあの光景を見るのか…。
そう思ってると早速…
「あーさむ…って、あ、楓だ」
ベランダから笑顔で大きく手を降る女の子に
健ちゃんはあたしの嫌いなあの笑顔と一緒に小さく手を振る
その小柄で肩より少し長いぐらいのサラサラの髪を
なびかせているのは笹原 楓。
あたしと健ちゃんの隣のクラスの子で、健ちゃんの彼女
「健太!!渡したいものあるから早くっ」
「何、?お前が?俺に?怪しいなハハッ」
無邪気に笑う彼
「いいからっはやく!」
少し怒った声で口を尖らす彼女
本当 お似合い…。あたしには到底 敵わない
健ちゃんはあたしの方に振り向き
「わり、楓がうるさいから先行くわ」
そう言ってあたしの返事も待たず急いでいく彼の背中に
あたしは小さく、小さく言う。
「うん、いってらっしゃい」