喜怒哀楽
「だい…じょう…ぶ…だよ」

お腹を押さえながらあたしに言う。

「嘘付かないでよ!ねぇ!」

あたしの視界は一気にぼやけた。

そして女の人が…

「わ…私は…知らない!!!」

顔を青くして逃げて行った。

そんなのどうでも良かった。

たけちゃんが…!!

「たけちゃん?…たけちゃん!!」

血が…止まらない。

「ハァ…俺さ。久美に…会えて…

良かった…よ…ハァ。」

「なんで…こんなトキに

そんなこと言うの?」

涙が頬を伝う。

たけちゃんの手があたしの頬に触れた。


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