喜怒哀楽
…誰だろぉ。あの女の人。

たけちゃんを見てる。

「おい?どうした?」

「あの人ずっとこっち見てるよ。」

怖い。なんか睨まれてる。

たけちゃんが自分の胸にあたしを

引き寄せた。

「あっ。消えた。」

「え?」

振り向いて、さっきあの女の人が

居た場所をみた。

「ホントだ。怖かったよ。」

あたしは、たけちゃんの胸に抱きついた。

「大丈夫だから。俺が居るだろ?」

「ゥン!」

ぎゅーっと抱きつく私の頭を

たけちゃんはなでてくれた。

上を向くと、とても優しい目だった。
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