喜怒哀楽
また意地悪を言うたけちゃんに

あたしの顔はまた赤くなった。

「ほらまたぁ~」

「たっ…たけちゃんの意地悪!!」

「知らなかったのか?俺が意地悪なの。」

「だって…いっつもやさしいじゃん!!」

「久美が可愛すぎるから…」

たけちゃんが照れた感じで少し笑った。

「えぇ~!たけちゃんじゃない!」

いちゃつきながらたけちゃんの車に

向かうあたし達に、「悲劇」はジワジワと

近づいていた。

「ぁの…すいません。」

その言葉は、紛れもなくあたし達に

言った言葉だった。

「はい?なんですか?」

たけちゃんは、振り返って返事をする。
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