不器用桐谷さんと桜井くん


輪にいた一人の女の子に声をかけられた。


う゛ぇ…。


私の中に嫌な予感がした。


「え、桐谷さん!?」



次第に輪の中のみんなに広がりはじめて…



「そうだ、駿空いてるんだよな?」



桜井くんの隣にいた友達であろう男の子が口をひらいた



「うん、空いてるよ。」



「じゃあさ、みんなで遊ばね?」



男の子の提案に、桜井くんと親しくなりたい人が断るはずもなく…



「いいねぇ。さんせーい!」



嫌な予感的中…。



「私、パス。」



と言うと、みんなの視線が私に集まった。


「えー、桐谷さんもあそぼーよー。」



「親睦会ということで、ね?」



という声が投げかけられて…



「仲良くなりたいとか思ってないから。」


と言って、祐希の手を引っ張り昇降口へ。
< 4 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop