流れ星と君。
 流れ星に夢中になっていた私は、
透き通ったキレイな声によって現実
に引き戻される。
「あーえっと…い、います…」
 何答えてんだろ、私。
 声からして、そこにいるのは男の
子みたいだ。

「君も流星群見に来たの?」

「あ…うん。この丘が一番よく見え
 るの。それより…」

「何?」
「ここ、前から来てたの?」
今までここに来るのは私だけだと思
っていた(お化け丘だしね)。

「ん?あぁ。
 ここの近くに引っ越してきたんだ
 よ。」

「へぇ。私はここから徒歩6分の所
 に住んでる。」
 
「6分…?なんか正確だな。」

「うん。計ったの」

「計ったって。」
 
 上からくすくすと笑う声が聞こえ
る。顔が見たいのに、絶妙なアング
ルで顔が見えない。

「あ…もう行かなきゃ。
 じゃあ、またね。」

「あ…うん。またね。」
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