My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
「いかがなさいました?」
「ホリスに聞いてみる」
「ホリス様にでございますか!?」
俺の言葉が想像していたよりも上だったのか、大きく目を見開いたグレイス
確かにグレイスの言う通り、俺の行動は未だに制限がある
それは当たり前の事だし、仕方のない事だと分かっている
でも、これからこの国で生きていくのならば、そのままじゃ生きにくくて仕方ない
だったら、上に問うまで
俺の監視をしている騎士達のトップに
「ホリスに会ってくる」
「ちょっ! ちょっと、お待ちください!」
「待っていても、状況は変わらないよ」
「アレン様!」
慌てて立ち上がるグレイスに、ニッコリと微笑み返して
俺は足早に部屋を出た
俺の名を呼び続けるグレイスを
背中に残して