My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
木の葉の揺れる音が世界に響く
それ以外の音は、今の世界にはない
ただ、じっと俺を見つめるホリス
まるで俺の心の中を読む様に
すると
「そなたに、この国を裏切らない保証はあるのか」
俺が裏切らない保証――
この国を抜け出して、大軍を率いてこの国を潰す事や
監視の目をかいくぐって、レイアを殺めたり――
きっと、ホリスはそういった事を気にかけている
この国に忠義のない人間は、そうする危険性があると
何をするか分からないと
そう疑われる事は悲しい事だけど
仕方ないと思う
所詮、俺はこの国の者ではないのだから