My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ


その姿に無意識に笑みが零れる

ゆっくりとしゃがみこんで、その子に向かって両手を広げた



太陽を背に一生懸命駆けてくる女の子が、勢いのまま俺の胸に飛び込んでくる

お日様の香りがするその子を、そのまま抱き上げると、にっこり笑って俺に微笑み返してくる




「やっぱり来てくれた!」



あの時と変わらず可愛らしい笑顔を俺に送る女の子

まるで、あの時の事を忘れてしまったかの様に




「元気にしていたか?」

「うん!」



大きく頷いてから、辺りをキョロキョロと見渡す女の子

なんだ? と思って首を傾げると




「今日、お姫様はぁ~?」




その言葉にレイアの事か。と察する

あの時は、俺の隣には彼女がいたから
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