My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
そんな彼女の行動に驚いて、目を見開く
それでも、美しい服が汚れてしまうと思って彼女を急いで立たせた
「あの時はこの子を助けていただき、なんとお礼をすれば...」
「いや、礼などいい。何事もなくて良かった」
涙を浮かべる母親にそう言って、ニッコリ笑うと
安堵した様に胸に手を当てて、溜息を吐いた女性
そんな女性を見て、もう一度柔らかく微笑む
「今日はリアに頼みがあって来たんだ」
ニコニコと母親の手を握っているリアの視線に並ぶ様に、腰を落とす
すると、その細い首を傾げて俺をじっと見つめるリア
「今日は、あの時の花の冠を買いに来たんだ」
色とりどりの花の冠
きっと、この小さな手で一生懸命作ったのだろう
「また作ってくれないか?」
何も言わずにじっと俺の顔を見つめるリアに、もう一度微笑みかけて問いかける
すると、ハッとした様に体を震わせたリアが大きく頷いた