My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
だから、何が何でも彼らの期待に添いたい
この国をもっともっと、よい国に
父様や母様、兄様が思い描いた
夢の様な国に―――
部屋から見えるレリーヌの滝を見つめながら、そんな事を思う
すると
コンコン
扉を叩く音が聞こえて、振り返る
「入れ」
短くそう言うと音も無く扉が開き、1人の男が扉の前に立っていた
「姫様。よろしいですか?」
「あぁ。何だ」
頭を下げたまま、そう言うホリス
そんな姿に、少し寂しくなる