My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
「私の心も、アレンのものだ」
優しく私の髪を撫でるアレンに、そう言う
こんなにも愛おしい人は、どこにもいない
何に変えても守りたいと思える人は――
目の前で驚いたように目を見開くアレンの首に手を回す
飛びついた途端に微かにアレンの体が揺れたが、強く抱きしめて受け止めてくれた
きっと彼が私の『約束の人』
固い約束で結ばれた人
ぎゅっと抱きしめると、応える様に私の背にまわった腕の力が増す
まるで鏡の様だと思った
私が笑えば、アレンも笑う
どこにいても一緒
見つめれば、見つめ返してくれる
涙が散る中、ギュッと瞳を閉じた
そうなればいい――と思って