My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
「なぜ?」
状況が全く把握できない俺が零した言葉に、本気でホリスは怒り心頭の様な顔になってしまった
「そなたはっ、言葉が分からぬのかっ」
「いや、分かる。分かるが、急にそのような事を言われても訳が分からない」
そう。
訳が分からない
剣の稽古を森の側でやっていた俺に、音も無く近づいてきたホリス
はっと、その存在に気づいて顔を向けた途端
――これだ。
少しくらい説明という事はできないのだろうか
この男は