My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
「――いいの..か?」
「何がだ」
「俺を、騎士団に入れる事」
俺はどこまで行っても、この国の一員にはなれない
それは俺が一番よく分かっている
特にこの国では、認められる事はないと思っている
他国の者を一切断ち切る国、アネモス
現に今、この国に余所者は俺と父しかいない
例え俺達の監視が弱まったとしても
この国から許可なく出る事は許されない
ゆっくり瞳を上げた俺を何も言わず見つめるホリス
湖の上で輝く光の様に美しい銀の髪
そのあまりの美しさに、まるで血の通わない人形の様に思える時がある
特にホリスは感情というものを、あまり表に出さないから
その表情から、何を考えているか当てるのは難しい