My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
信じてくれ。と何度も悲願するガスパルを見下ろす
すると、木々の間から夕日の光が差し込んで俺の横顔を照らしだした
真っ赤に燃える夕日が瞳に溶け込む
その瞬間、俺の顔を見て一気に青ざめた顔になる男
荒かった息を止めて、ガタガタ震えだした
その姿を見て、思わず首を傾げる
――なんだ?
「あ...あんた...」
震える声の上で小さくそう呟いた男
俺の目をじっと見つめて、まるで脅えている様だった
「何だ」
「な...なんで..ここに」
「何の事だ?」
「――殺したはずだ...なんで...なんで..」
まるで狂った様に首を左右に動かすガスパル
首元にある剣の切っ先が触れて、血が滲んでいる