My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
「レイア」
「アレン」
お互いの名を呼び合って、微笑み合う
柔らかい彼女の微笑みが、俺の心を満たす
「きっと、見ていてくれている。レイアの事を」
「――あぁ。私もそう思うぞ」
レイアの姿を、きっと月の国から見ていてくれている
だからレイアも応える様に、月を見上げていたのだろう
「また会えた時に、胸を張って会いたい」
「――あぁ。俺もその手助けに」
彼女の悲しみを俺が
彼女の辛さを俺が
彼女の寂しさを俺が
全部取り除いてあげたい
幸せな未来だけを
美しい世界だけを見ていてほしい
どうか、その笑顔が曇らない様に
もう二度と
その頬に涙が落ちない様に――