My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
目覚め
柔らかい風が頬を優しく撫でる
その中に、どこか秋の香りがした
ここに来て、また1つ季節が巡った
真っ赤に燃える様な木の葉が、風に揺れている
「秋は好きだ」
美しく染まった木の葉を見上げていると、隣から声がした
視線を下ろすと、真っ白な手を木の葉に添えて微笑むレイアがいた
「世界が温かな色で染まる」
彼女の髪と同じ様に、黄金の色に輝く木の葉
眩しいくらいのその色に、思わず目を細めた