My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
「あぁ、任せといて」
ぐっとホリスの腕を引いて、不安気な彼女に微笑み返す
すると、安心した様に胸を撫で下ろした彼女が一度深くお辞儀をして、来た道を駆けて行った
◇
「――何故、私が」
「文句言ってる暇があるなら、もっと真剣に探してくれよ」
酷く不機嫌なホリスが俺の後ろを歩きながら、文句をたれる
振り返って一喝すると、目を細めて睨み返してきた
「こうなるなら、次からは縄で繋いでおけ」
「獣じゃないんだから。父さんは」
「獣同然だ。この前警告した事を何も憶えていないではないか」
そう言われると、言い返せない
――そう
実はこの前もホリスに探してもらった
そして、まるで子供を叱る様に父を叱り倒したんだ