My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
「レリーヌの滝の方に行ってみよう」
言葉に詰まってしまって、急いで話題を逸らす
この脱走癖さえなければ、本当に素晴らしい父なのに
大きな水音を立てて空高くから、滝が流れ落ちる
いつ見ても、素晴らしい滝だ
秋空の下、レリーヌの滝を見つめていると、少し離れた所にいたホリスが声を上げる
どこか、溜息混じりに
「いたぞ」
その声に反応して、ホリスの方を向くと
顎でクイっと滝の側を指された