My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
「ホリス、と言ったか」
「――あぁ」
何か思案しながら、口を開いた父
吐き捨てる様に返事をして、剣を収めたホリスを楽しげに見つめている
「よし。決めたぞ。そなたの剣を見てやろう」
名案だと言わんばかりに、ポンっと自分の足を叩いて岩から飛び降りた父
ニコニコとご機嫌そうな顔をして、ホリスの隣まで歩み寄ってきた
「どうだ? ホリス」
「そなたに教えてもらう事など何もない」
「何もなくはないだろう。今、現にお前は私に負けた」
痛い所をついてくる父に、ホリスがピクリと反応する
なんだか、また一波乱ありそうで怖い
「いい案だと思うよ」
だったら、そうなる前に事を片付けよう
そう思って、急いで声を上げた