My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
「生き残った騎士の数は?」
空を見上げていた父に問う
本当は聞きたくなんてないけれど
「…相当やられた。半分までとはいかぬがな――相手の数が多すぎた。文字通り、多勢に無勢だ」
「――」
「あの時、王宮の中に撤収していなければ、全滅していたかもしれない」
そう言って、自嘲気に笑う父
でも、その言い分は正しい
あの時先発の騎馬隊に目を取られて、後から押し寄せてくる騎馬隊に気付かなかった
少し遅れていたら、俺達は死んでいた
そう思うと、ぞっとする
「でも、この王宮も長くは持たない」
自分の零した言葉が、酷く冷たい
まるで自分が現実にいないみたいに、他人事の様に聞こえる
「――もって、4日だろうな」
すると、父も同意する様にパンをかじりながら、小さく呟いた
そして、ゆっくりと俺の方に向き直って口を開いた
「この国は亡びる」