My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
三日
「この国を出て、兵を集める」
地図を囲む様に集まった騎士や大臣達を見渡して、そう言う
目の前にいたレイアも同意する様に、俺の目を見て小さく頷いた
「レリーヌの滝の裏から森の外に出られる。その場所なら、まだガスパルの目を欺けるかもしれない」
「大勢では逆に目立ってしまう。王宮を守る為に騎士も連れて行く事はできない」
「私が共に」
そう言った父さんの言葉を聞いて、コクンと頷く
他国に広く顔の知れた父ならば、交渉が早く進むかもしれない
「必ず軍を率いて戻ってくる」
この名の元に、兵を――
アネモスを救う為に
約束を果たす為に
じっと俺の顔を見つめる騎士達を見渡して、そう言う
すると、同意する様に皆大きく頷いた
その姿が俺の事を信じてくれていると分かって、嬉しくなる
「すぐに発つ」
この国の未来をかけて