My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
「―‥3日だ。アレン。それ以上はもたない」
唐突に告げられた言葉
この国のタイムリミット
変わる事のない現実
「必ず戻る。それまで、なんとかもってくれ」
3日でどれほど集まるか分からない
それでも、やらなければ
この国は亡びる
美しい世界は闇に落ちる
「レイアを頼んだ」
「命を懸けて守る」
そう言って、馬に乗る俺に拳を伸ばすホリス
その拳に自分の拳をぶつけて、ニッコリと笑った
「大丈夫だ。この国は強い。再び光の中に戻った時――その時は、もう一度一緒に空を見よう」
美しい青空を
生い茂る森を
咽返るほどの花畑の中で
もう一度―――
俺の言葉を聞いて、微かに微笑んだホリス
その姿に一度頷いて、手綱を一気に引く
その瞬間駆けだした
強い風に乗って