My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ




ゆっくりと顎先に添えられた手で上を向かされる

途端に振ってくる優しいキス



アレンと出会ってから、何度も何度も思う

時が止まればいいのに、と




微かに離れる唇

熱い吐息の中で、アレンが小さく囁いた




「愛してる、レイア」




瞳を閉じた世界の中でもアレンを感じる

最後に一度頬に口づけをしたアレン



その瞬間ものすごい風が世界を覆う

舞い上がる髪がもう一度背に落ちた時、ゆっくりと瞳を開けた




目の前に映ったのは

誰もいない世界だった




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