My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ








天から降り注ぐ太陽の光が肌を指す

規則正しいヒズメの音だけが聞こえる世界




「父さん! 大丈夫?」

「問題ない。もう少しでキルトの国だ」




隣を走る父が答える様に大声を出す



体よくアネモスの国を出た俺達

夜通し馬を走らせて、どこか見覚えのある道に出ていた



運河がいくつもあり、栄えているキルトの国

以前は竜族と同盟を結んでいた国だという父さんの情報でここまで来た



本当はヴェントスまで戻って兵を率いたいのだが、何せ時間がない

ヴェントスに行って帰ってくるのに、3日では足りない

だから帰らずの平原の側にある大国に向かっている



大国であればあるほど、同盟を組んでいる国が多い

招集の声をかければ、それだけ多くの国が集まる



3日でどれほど集める事ができるかなど分からないけれど

立ち止まっている時間はない

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