My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
「お前達、何者だ!」
ギロリと俺と父さんを睨みつける数人の騎士
太陽の光を反射して、一度剣がキラリと光った
「我が名はアレン。キルト王に謁見したい」
「ユアン様にだと!?」
「時間がない。そこを通してもらおう」
俺と父さんの言葉を聞いても尚も戦闘態勢を崩さない騎士
ギラギラとした瞳で今にも俺達に斬りかかりそうだった
すると
「ゲル! ゲルではないかっ!」
不意に声が聞こえて視線をずらすと、奥にある王宮の扉から一人の男が出てきた
「カルファ!」
「街が騒がしいと思ったら、お前だったか」
駆け寄ってきた愛嬌のある男に応える様に父も馬から飛び降りる
同じ様に馬から降りた瞬間、固く握手をする2人が目に入った
「アレン。友人のカルファだ。幾度となくコイツとは戦場を駆けまわった仲だ」
「カルファだ。ゲルの息子だね」
ニッコリと口髭を上げて微笑む男
その屈託のない笑顔に微笑み返す
「アレンと申します。突然の訪問、申し訳ございません」
「構わない。だが、どうした?」
挨拶を交わした俺達を見つめて首を傾げるカルファ