My Precious ～愛する人よ～ Ⅱ

夕日に輝く世界に目を細める

ゆっくり瞼を閉じれば、そこにはアネモスの美しい世界が広がっていた

どこまでも煌めく、光の国が――





ﾚｲｱ―――






心の中でそう呟いて、瞳を開ける

目の前に広がる騎士達を見つめて、言葉を紡ぐ




「この体に流れる血は、今も変わらず戦いの中にある。そして必ず竜族を再びこの世界に甦らせる――そして共に、新しい時代を創ろうではないか」




真っ直ぐに前を見据えて、声を落とす

それと同時に聞こえる雄叫びが世界を震わせる




「ガスパルから平和な時を奪い返そうぞっ!!」

「おおおぉぉ!!!」




地鳴りの様に世界が揺れる

今も増え続ける多くの国々の騎士団


かつての竜族との契約を守る為、ここに集まった者達

その招集に応えた多くの国々が、１つの光を目指す

今にも消えてしまいそうな灯を目指す




「朝日と共に、この地を発つ!! 目指すは、光の国アネモス」




その声と共に騎士達の剣が天を貫いた

暗闇が迫る世界を斬るかの様に――