My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
着々と軍備は進み、騎士達の数も増えた
ホリスとレイアと約束をした、3日目の今日
アネモスへと援軍を向ける
カチャカチャと鎧が鳴る
磨き上げられた大理石の床を、真っ直ぐと向かう
両端には、剣を持った騎士達が凛とした姿で立っていた
そして、俺の後ろを歩く父
口髭を触りながら、少し後ろを振り返った俺にニコリと笑った
「――行こう。父さん」
「あぁ」
世界の命運を懸けた戦いが始まる
王宮を出て、見慣れた馬に飛び乗る
一度その背を撫でてから、手綱を引いて前を向いた
目の前に広がるのは
数えきれない程の、軍隊
広場を埋め尽くす騎士達
真っ直ぐに俺に視線を向けている
風を受けてなびく旗の数は見る者を圧倒する
その光景を目にして、胸が熱くなる
たった3日という時間の中で、ここまで集まってくれた
この名の元に集まってくれた