My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
「この先――命に代えても、レイアを守る」
笑顔を剥がして、真剣な顔でそう言うアレン
いつもは穏やかな彼も、急にこんな風に真剣な表情を見せる
そんな小さな表情の変化1つにも、私の心臓は大きく揺れる
「死んでしまっては...意味がないではないか」
自分の国を捨てた意味が
私と共に生きると言った言葉の意味が
「――俺は騎士だから」
私の言葉を聞いて、寂しそうにそう言って笑うアレンの言葉に胸が詰まる
その表情1つですべて分かる
アレンも分かっているのだと
私と彼の『立ち位置』を
どれだけ心を通わせようと、結ばれる事はないのだと
この燃える様な恋に
未来などないのだと―――