My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ


「騎士に認められなくとも、俺はこの国を守る」

「――姫を守る。の間違いでは?」



向き直った俺に皮肉気に言ったホリスに、ふっと笑う

一緒だろう。と思って




「姫はこの国そのもの。違うか?」



姫を守る事。それは、即ちこの国を守る事

姫はこの国そのものだから

美しい、この光の国。そのものだから




俺の言葉に一度ピクリと眉を動かしたホリス

しかし、小さく鼻で笑った後、ゆっくりと俺に近づいてきた




「せいぜい尽くす事だな」



吐き捨てる様にそう言ったホリスを見て思う


温度の感じない、どこか冷めた姿

まるで、少し前のレイアを見ている様だと



心が凍ってしまっていた

彼女の様だと―――



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