My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
絹の様な美しい銀の髪が風に揺れている
俺を見つめる氷の様な瞳から目を逸らさずに、言葉を落とす
「俺を――」
「――」
「俺を追い出さないのか?」
レイアには二度と会わせない。と言ったホリスの言葉を思い出す
あの日、俺をこの国から追い出す様に睨んでいたホリスの瞳を思い出す
それなのに、何故ここに留まっている俺を追い出さない
何故、彼女と会っている俺を止めない
じっと俺を見つめるホリス
大地の色をした彼の瞳は一度も揺れる事はない
そして
「姫が決めた事だ」
「――」
「私はそれに従うまで」
そう言った後、俺の手に納まる剣に視線を移したホリス
その視線を追う様に、俺も剣へと瞳を向ける