My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
「――ホリス..もしかして」
思い当たる考えを口に出そうとした時
伏せていた目を持ち上げたホリスと目が合う
さっきのどこか頼りない声を出していた本人だとは思えない程
冷たい目をしたホリスと
「不審な動きがあれば、私は迷う事なく、そなたを殺す」
「――」
「忘れるな。そなたは、この国の民ではない」
強い言葉でそう言って、俺を睨みつけるホリス
真っ赤に燃えるその心は
騎士としてか
それとも―――?