My Precious ~愛する人よ~ Ⅱ
威嚇する様な鋭い視線を受けながら剣を収める
身動き一つないホリスは、まるで壊れてしまった人形の様だ
いや――
そう振る舞っているだけか
「――‥それで、構わない」
ホリスの心の内を知りたいと思ったけど
――止めた
その想いは、彼だけのものだと思ったから
それに、きっと誰にも触れられたくないだろうと思ったから
だけど
「それが君の役目だ。ホリス」
そう言って、ホリスの中にあるその想いを抑える
ただ、自分にもそう言い聞かせているのだけど
騎士である俺達に、美しい未来なんてない
この国を守る。
それが俺達の使命
それだけは、決して忘れてはいけない
どれだけ、美しく優しい気持ちに囚われても