LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
「今でも、兄貴のあの顔は忘れないよ…」

 雄二は目を閉じて、思い出しながら静かに言った。

「この間帰ったのは、陽菜の命日だったんだ。…ちゃんと話せばよかったんだよな」

 雄二は、小さく笑った。

「彼女の写真は、思い出だったんだ…」

 深空はぽつりとつぶやく。

「思い出というより、未練だったんじゃないかな」

 苦笑いを薄く浮かべ、雄二は首を横に振った。

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