LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
「もっとあの人を頼ればよかったと後悔したわ。あんたを妊娠したことが分かって、しっかりしなきゃって、弱音や不安も言わないで、ひとりで守ろうとしてた。女も鉄みたいになっちゃうと、外にいる女の方が可愛く見えちゃうんじゃないのかしら?」

 キャビネットの上に飾られている、唯一の夫婦の写真に目を向け、逸子は薄く笑った。

「あたしはずっとあの人の"女"でいたかった。あんたは、あたしが自棄になってるときにあたしから離れて行った。でも言い訳しなかった。だって、誰かに頼りたかったのは、事実だから…」

 そして、母親の目を伏せる。

「でも、一度心が離れちゃうと、もうダメね。今も、どこで何をしてるんだか…」

 彼女はまた遠い目をして、窓の外を眺めていた。

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