LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜

「…夜は？」

　深空は、雄二の顔を覗き込む。

「夜なら… 平気かな。多分、飲み会になるだろうけど、断ってくるよ」

　考えながら、雄二がそう答えると、深空は彼の右腕をぎゅっと抱きしめた。

「…どっか予約して、メシでも食う？」

　彼の提案に、深空は首を振る。

「先生の部屋であたし、作って待ってるよ」

　すると、雄二は怪訝そうに笑った。

「大丈夫かよ～」

　彼がそう言うと、深空の頬がプクーっと膨らんだ。

「今まで、自分の食事は自分で作ってたんだから、大丈夫よ」

「そ。じゃぁ、期待してる」

　彼は優しく微笑みながら、彼女の頭を撫でた。

　空では、オレンジ色の色鮮やかな太陽が地平線に吸い込まれ、やがて静かに柔らかな光を放つ月と交代する。オレンジから群青へのグラデーションがなんとも言えず、空は美しく染まっていた。

　深空はそんな空を眺めながら、伸びる影とともに歩いていた。