LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
「もしもし? 誰なの?!」

 面倒臭そうに話す深空。

『…深空?』

 電話の相手の声を聞き、彼女はますます不機嫌になった。

「今更何の用? …伸夫」

 電話をかけてきたのは、伸夫であった。

『あんなことしといて、今更なのは解るけど、ちょっとお前と話がしたくて…』

 伸夫は申し訳なさそうに、深空の出方をうかがっていた。

「…あたしは話すことなんてない。もう電話して来ないでって言ったでしょ?!」

 イライラが募り、深空はボサボサの髪を手で大きく掻いた。

『…新しい男となんかあったのか?』

「あんたには関係ないでしょ!!」

 深空は大声で叫び、勢いよく電話を切った。

 携帯の電源を切り、わざと大きいため息を吐く。そして不愉快なまま布団に潜り込み、興奮した頭を抑えていた。

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