LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
(繋がらないな…)

雄二は耳に当てた携帯を下げ、パタンと閉じる。さっきからその繰り返しだった。

(電源、切られてるみたいだな)

 はぁ、とひとつ、ため息を吐く。

 彼の手の平には、あの指輪ケースが収まっていた。

(…聞こえたんだ。確かに…)

 目を閉じて、彼が聞いたという声を思い出す。

(渡さなきゃ…)

 彼は、ギュッとその指輪ケースを握りしめていた。

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