LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
その後電車に乗り、深空の元のバイト先のファミレスや、雄二が塾長を勤めていた塾の入ったビル、横浜で入った居酒屋、ナイトショウで見た映画館、そして初めてキスした場所… などを順番に回る。
闇に落ちそうなほどの漆黒の空に、賑やかな繁華街の光が、きらびやかに輝きはじめる頃―
二人の顔には疲労が色が濃くなっていた。
ちらっと雄二の顔を見ると、やはり表情はさっきと変わらない。
「もう最後になるけど…」
時間を見ながら深空がそう切り出すと、深空の人差し指は、ある建物を差していた。
派手にライトが光る、大きな看板。今し方立ち寄った居酒屋の近くからでも、少し距離のあるあの建物は、目立つその看板のおかげで、よく見えていた。
深空の指す方を見る雄二の目が、少しだけ大きく開いた。
「ラブホテル…?」
雄二が少し引き気味に尋ねると、深空は笑いながらうなずいた。
「よく行ってたの?」
「よくってわけじゃないけど、あたし達が結果付き合うきっかけになったところ、って感じかな。…でも、無理して行くことは」
踵を返し深空は帰ろうとする。しかし、雄二は深空の手を掴み、それを止めた。
「…行くの?」
彼女が静かに尋ねると、雄二はうなずく。
深空は少しためらったが、彼のその真剣さが彼女の背中を押した。
闇に落ちそうなほどの漆黒の空に、賑やかな繁華街の光が、きらびやかに輝きはじめる頃―
二人の顔には疲労が色が濃くなっていた。
ちらっと雄二の顔を見ると、やはり表情はさっきと変わらない。
「もう最後になるけど…」
時間を見ながら深空がそう切り出すと、深空の人差し指は、ある建物を差していた。
派手にライトが光る、大きな看板。今し方立ち寄った居酒屋の近くからでも、少し距離のあるあの建物は、目立つその看板のおかげで、よく見えていた。
深空の指す方を見る雄二の目が、少しだけ大きく開いた。
「ラブホテル…?」
雄二が少し引き気味に尋ねると、深空は笑いながらうなずいた。
「よく行ってたの?」
「よくってわけじゃないけど、あたし達が結果付き合うきっかけになったところ、って感じかな。…でも、無理して行くことは」
踵を返し深空は帰ろうとする。しかし、雄二は深空の手を掴み、それを止めた。
「…行くの?」
彼女が静かに尋ねると、雄二はうなずく。
深空は少しためらったが、彼のその真剣さが彼女の背中を押した。